writing by MIRIO *このコラムはiPM naviで配信しています ITプロジェクトは、様々な技術が盛り込まれた集合体です。 そのため、社内で対応できないときは、外注依頼することがあります。 現在、IT業界は人手不足で、遠方に所在するITパートナーに頼ることも多いものです。 このようなとき、あなたの目の前にパートナーベンダーのメンバーは座っていません。 聞きたい時になんでも聞ける状況ではないため、進捗管理には工夫が必要です。
監修:えのき 2003年に大手コンサルファームにジョイン。 数年間のオープン系システムのインフラエンジニアを経験したのち、プロジェクトマネジメント関連業務へキャリアチェンジ。 以降中小から大規模までさまざまなプロジェクトにおいてPM/PMO業務に従事。 製造業、メディア、金融、官公庁など、業界を問わず経験しており、クライアントの様々な文化に柔軟に対応している。 近年ではシステム関連の知識を生かし業務コンサルテイング領域でも活動中。
こんにちは、プロコンサルのMIRIOです。
iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。 その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。 今回のコラムは、都内IT企業に勤務している34歳のPM初心者の方からのご相談となります。
MIRIOのキャリア 2003年に大手コンサルファームBにジョイン。 PMとして多くの炎上プロジェクトで火消し役として活躍。 2008年に大手事業会社のコンサル企業にジョイン。 同社のグループ会社のシステム全般における企画・提案・マネジメントに従事。 2013年にSIer・製造メーカの代表取締役に就任し、大手コンサルファームや大手事業系DX企業で培ったDXコンサルティングやプロジェクトマネジメンの経験とノウハウを活かして、ICTコンサルティング分野へ進出しビジネスを拡大する。
PMからのご相談
■相談者
都内IT企業に勤務している34歳のPM初心者
■相談内容
わたしは、都内IT企業に勤務している34歳のPM初心者です。
今回のITプロジェクトが2回目のPM業務となります。
①わたしが担当するITプロジェクトは、パートナーベンダーが遠方で作業行っています。
所謂、ニアショア体制でプロジェクトを推進中です。
②直接集まって進捗会議ができないことから、週1回メールで報告をもらっています。
③上司からは、「週1回メールの報告で、プロジェクト状況・リスク予測を正確に捉えているのか!」と叱責されました。
④確かに、短期間プロジェクトであることから上司の不安もわからないでもありません。
⑤しかし、パートナーベンダーが遠方であることから、これ以上なにもできません。
⑥上司の言うようにプロジェクト状況やリスク予測を正確に捉えられてもいません。
現状は、パートナーパートナーへ丸投げで上手くいくようにと神頼みです。
⑦ニアショアによるプロジェクトの進捗確認は、どのようにすれば良いでしょうか?
■相談のポイント
①パートナーベンダーが遠方で作業をしている。
②そのため、進捗報告は週1回のメールのみである。
③プロジェクト状況・リスク予測を正確にとらえるための進捗管理がわからない。
🗒 memo
今回の相談は、プロジェクト計画段階でも考慮しておくべきテーマです。 特に情報伝達はコミュニケーション管理計画の中で、整理してください。 コミュニケーション管理計画の参考コラムは、こちらで解説しています↓
こんな時は、こうしてみれば良いですよ!
このように前提条件を整理しました。 ・顧客の意思決定の遅さは故意ではない。 ・顧客も意思決定プロセスを変更する意思を持っている。 ニアショア開発(リモート)だからといって、特別な進捗確認の方法はありません。 ※顔を突き合わせて進捗会議を行うのであれば『ビデオ通話』を使えば良いだけです。 進捗管理とは、プロジェクトがどのような状況にあるのか、今後のリスクはどのようなことが予測されるのかなどをPMが把握して、必要に応じて策を講じるためのINPUT情報を集めることです。 そのため、進捗状況を知るためのINPUT情報を整理してください。 このようなアプローチで進めてください。 アプローチ1 PMが知りたい情報(INPUT情報)を貰えるように、定型フォーマットと報告ルールを用意する。 【定型フォーマットの記載項目】 各タスクに対して以下を記載させる。
・進捗状況(例:計画通り、遅延、前倒し)
・遅延タスクがある場合は、遅延理由、対策、リカバリー完了日
・前倒しタスクがある場合は、前倒し理由、前倒しタスクと関連する他のタスクへの影響
【報告ルール】
・進捗の報告範囲を決める。(例:前営業日の18時まで時点の進捗状況)
・メール報告であれば毎日決まった時刻に行う。 アプローチ2 アプローチ1を実施して、「情報不足や欠如」、「状況の把握が困難」、「問題が解決しない」などの場合は、ビデオ通話を使った対面での進捗報告に切り替える。
平成時代、有効なコミュニケーションの手段としてプロジェクト関係者を一つの施設に集めて、作業を進めていくことが主流でした(誰も疑問を抱かず)。
これは、分からないことがあれば聞きたい時に聞ける、なんとなく全員が集まっていた方が上手くいく気がする...と非論理的なマネジメントが多かった気がします。 コロナ禍において、働き方も変わりました。 多くの企業がリモートワークを採用している中、コミュニケーションの取り方もインターネットを介して、ビデオ通話・メール・チャット・メタバース会議etcを利用する時代です。 これは、旧来のコミュニケーション手段とは違い、相手の雰囲気が読めない、時間制限がある、制限の中でマネジメントを行わなければなりません。 今の時代は、制限の中でマネジメントに必要な情報の収集、リスクや問題の発見と解決策etcを効率よく行えるPMスキルが大事になってきたと感じています。 最後まで読んでいただき有難う御座いました。
わたしのコラムで、あなたのお役に立てれば幸いです。
炎上プロジェクトの実例・PMの裏ワザ、こんなようなコラムを配信していこうと思ってます。
ぜひ、今後とも応援を宜しくお願いします。
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